床の下まで、総がかりで検《しら》べた。隣近所にも無論たずねてみた。しかし次郎の行方は皆目《かいもく》わからなかった。
みんなは捜《さが》しあぐんで、だんだんと土間に突っ立ったり、竈《かまど》の前に蹲《しゃが》んだりしはじめた。大して心配なことはあるまい、という気持が、大抵の人の顔に現れていた。
その間を、お浜だけが、何度も裏口を出たり這入ったりして、落ちつかなかった。背戸《せど》には大きな溜池があって、蓮の枯葉が、師走の風にふるえていた。お浜は、ちょっと不吉なことを想像した。しかし、それを、口に出してまで言おうとはしなかった。
「次郎ちゃんのことだから、出しぬいて、一人で先に帰ったのかも知れない。」と、直吉が、竈の前で煙草をくわえながら言った。
「そう言えばお前さん達がそこで話しているうちに、一人で表の方へお出でなすったようだよ。」
と、姉さん被《かぶ》りの婢《おんな》が、すべての謎はそれで解けてしまうかのような顔をして言った。
今まで茶の間に坐ったまま、默ってみんなの言うことを聞いていた正木のお祖父さんは、
「ともかくも、直吉は一応帰って見るがいい。こちらはこちらで、心あたり
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