?」
「まっ白だい。煙がくっついているんだろう。」
次郎はそっと手で顔を触《さわ》ってみた。ぬるぬるしたものがくっついているような気がする。さほどひどくはないが、ぴりぴりした痛みを覚える。
「早く水で洗っておいでよ。」
誠吉が言った。
次郎は離室や座敷の方をそっとのぞいてから、池の水を両手で掬《すく》って、顔にもっていった。が、それと同時に彼は悲鳴に似た声をあげ、再び築山のかげに走って来た。彼の顔は、ところどころ鮪《まぐろ》の刺身のように真赤だった。誠吉は眼を皿のようにして立ちすくんだ。
次郎は草の上に仰向けに寝ころんで、ふうふう息をした。顔全体から炎が吹き出しているような感じだが、どうすることも出来ない。彼はただ手足をばたばたさして苦痛をこらえた。誠吉は全身をぶるぶるふるわせながら、しばらくそれを見ていたが、急に声を立てて泣き出した。そしていっさんにどこかに走って行った。
間もなくお延が子供たちと一緒に走って来たが、次郎の顔を見ると、
「あれえっ。」
と、けたたましい叫び声をあげた。
つづいて雇人たちがどやどやとやって来た。すこしおくれて謙蔵が来た。最後にお祖父さんが来
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