ような、息がはずむような変な気がした。
「あら、次郎ちゃんじゃない? 今日はお薬の日だったの?」
 だしぬけに春子の声がうしろにきこえた。次郎はうろたえて立ち上りながら、
「ううん、竜ちゃんは?」
「竜一? いるわ。たった今学校から帰って、ご飯たべたところなの。次郎ちゃんも学校のお帰り? ご飯まだでしょう?」
「うん、僕たべたくないや。」
「どうかしたの?」
「ううん。」
 次郎は首をふった。春子はちょっと変な顔をして彼を見つめたが、
「じゃ二階に上ってらっしゃい。すぐ竜ちゃんを呼んで来てあげるわ。」
 春子はそう言って奥へ行った。次郎には彼女がいつもよりよそよそしいように思われて仕方がなかった。来なければよかったというような気もした。しかし、そのまま帰るのも工合がわるくて、またぽつねんと立ったまま戸外をながめていた。
 竜一が間もなく走って来た。二人はすぐ二階にあがった。次郎はつとめていつもの通りに振舞おうとしたが、やはり気が落ちつかなくて、二人の遊びはしばしば間がぬけた。春子が二階に上って来たのは、それから三十分も経ってからであった。
 彼女は、父が病家から持って帰ったらしいお菓子
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