、お民の病室になったのは、それから三日の後であった。その三日間を、次郎は、深くものを考えるような、それでいてそわそわと落ちつかないようなふうで暮した。
お民は見ちがえるほど痩せていた。蒼白い額の皮膚が、冷たく骨にくっついて、その下から眼だけが澄みきって光っていた。次郎が学校から帰って来てはじめて彼女の病室に這入った時には、彼女はしずかに眠っていたが、間もなく眼をさまして彼の顔を見ると、いかにも淋しく微笑した。その微笑が、遠い世界からの不思議な暗示のように次郎の心を捉えた。そして蝋細工のような血の気のない唇の間から、真っ白に浮き出した歯が、生々しく次郎の眼にしみついた。
病室には、ほとんど正木のお祖母さんがつききりだった。で、次郎には大して用もなかったが、彼は、学校から帰ると、なるだけ病室を遠く離れないように努めた。そして、母の方からよく見える次の間の片隅に机を置いて、おさらいをしながら、お祖母さんが何か用を言いつけるのを待っているようなふうであった。
彼は、学校の帰りに道草を食ったり、一人で遊びに出たりすることはほとんどしなくなった。遊びに出るにしても、それは大てい従兄弟たちに誘
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