はしゃぎ出した。そうなると、もう飛石も地べたもなかった。彼らは跣足《はだし》でめちゃくちゃに走りまわった。
「次郎! 次郎!」
二三十分もたったころ、俊亮の声が縁側からきこえた。そのまるまるした体が、室内の燈火を背にうけて、黒々と立っている。次郎は、飛石に足のうらをこすりこすり父のそばに行った。父は縁側に腰をおろしながら言った。
「どうだい、父さんたちは、もう明日からみんな町の方に行くんだが、お前も一緒に行きたいか。それとも、ここにいたいのか。お前のすきなようにしていいんだから、思うとおりに言ってごらん。」
座敷の方から、みんなの視線が、一せいに次郎に注がれた。次郎は返事に困った。
彼は、これまで、どうせ自分はこちらに残されるものだと決めていたし、またその方を喜んでもいたのであるが、いざとなると、変に物淋しい気持が、胸の奥からこみあげて来る。それは、父に対する愛着からだとばかりはいえない。みんなが打ち揃って出て行くのに、自分だけあとに残されるということが、予期しなかったいやな気持に、彼を誘いこんでいくのである。それに、さっきのしんみりした母の言葉が、妙に彼の頭にこびりついて、彼の
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