に、窓ぎわににじり寄った。
「次郎!」
 お祖母さんのいきりたった声が、次郎の膝の関節をぴくりとさせた。もしその時、お祖母さんのうしろに、厳粛な、それでいて、どこかに笑いを含んだ父の顔が見出されなかったら、次郎は、あるいは二階の窓から、逃げ出そうと試みたかも知れない。
「次郎のいたずらじゃありません。」
 俊亮は、散らかった木箱を跨《また》ぎながら、そう言って、次郎のすぐそばに、どっしりと坐りこんだ。
 次郎は一先ずほっとした。しかし、父と祖母との間に何事か起りそうな気がして、何となく不安だった。
 お祖母さんは、まだ胡散臭《うさんくさ》そうに、次郎の顔と、散らかった品物とを見|較《くら》べていたが、ふと思いついたように、長持のそばに寄って行って、その中を覗きこんだ。そして、しばらくは頻りに小首をかしげていたが、そのまま箪笥の方に歩いて行って、開いている抽斗は無論のこと、袋戸棚から小抽斗に至るまで、引っかきまわした。
 俊亮は、その間、默然と坐って腕組みをしていた。
「俊亮や――」
 お祖母さんは、べたりと俊亮の前に坐ると、下からその顔を覗きこむようにした。
「相すみません。」
 俊亮
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