ててみたりした。朝から晩まで父と一緒に仂ける、――そう考えると、彼はむしろ嬉しいような気にさえなった。
だが、彼の眼には、間もなく竜一と春子の姿がちらつき出した。
(町に行ってしまうと、もうめったに二人には逢えない。)
そう思うと、彼は滅入《めい》るように淋しかった。――父と一緒に仂く方がいいのか、毎日竜一の家で遊ぶ方がいいのか。――彼はそんなことを考えて、俊亮とお民が寝たあとでも、永いこと眠れなかった。
二七 長持
俊亮は、それ以来、土曜日曜にかけて帰って来るごとに、必ず一度は二階に上って、箪笥や長持の中を覗いた。そして、いつもその中から、刀剣類や、軸物《じくもの》や、小箱などを、いくつかずつ取出して風呂敷に包んだ。
次郎には、それが何を意味するかが、すぐわかった。彼は、そんな時には、いつもそ知らぬ顔をして俊亮のそばにくっついていた。次郎にくっついていられることは、俊亮にとっては、少なからず迷惑であった。しかし、彼は強いて次郎を追払おうとはしなかった。だんだん度重なるにつれて、却って品物の説明などして聞かせることもあった。そして、いつの間にか、風呂敷に包まれなかっ
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