い、とでも言うのかい。」
「知れてるじゃありませんか。……子供たちは、石に噛りついても、学問で身を立てさせたいと思っていますのに。」
「だから、商売で儲けて、大学へでも何処へでも、はいれるようにしたらいいじゃないか。」
「人間は、卑しくなってしまっては、学問も何もあったものではありませんわ。」
「なあるほど、お前はそんなふうに考えていたのか。……だが、もうそんな時代おくれの考え方はよした方がいいぜ。これからの世のなかは、まかり間違えば、子供を丁稚奉公《でっちぼうこう》にでも出すぐらいの考えでいなくちゃあ……」
「まあ情けない!」
「大学を出たって、丁稚奉公をしないとは限らないんだ。」
「まさか、そんなことが……」
「あるとも、だが、今のお前の頭じゃ、何を言ったって解るまい。」
「…………」お民は横を向いた。
「怒るのはよせ。大事な場合だ。……とにかく、商売でもやるより仕方がなくなったんだから、その覚悟でいてくれ。」
「…………」
「不賛成か。困ったな。……だが、実をいうと、もう何もかも、そのつもりで運んでいるんだがな。」
「すると、この家も引払って、町に引越すんですか。」
「そうだ。い
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