、はたで付替《つけかえ》を見ていた竜一が言った。
「学校では、みんなが次郎ちゃんを怖がるんだよ。僕、次郎ちゃんと仲がいいもんだから、僕まで威張れらあ。」
「まあ、いやな竜ちゃん。」
春子は吹き出しそうな顔をして、そう言ったが、急に真面目になって、
「次郎ちゃんは、お友達に怖がられるのがお好き?」
次郎は、春子に真正面からそう問われて、うろたえた。そして、つまらないことを言い出した竜一を、心のうちで怨《うら》んだ。
「竜ちゃん、嘘言ってらあ、誰も怖がってなんか、いやしないじゃないか。」
彼はむきになって打消しにかかった。
「嘘なもんか。ほら、昨日だって、次郎ちゃんが行くと、みんな鬼ごっこをやめて、逃げちゃったじゃないか。」
「いけないわ、そんなじゃあ。」
と、春子は、絆創膏を貼《は》り終って、じっと次郎の顔を斜め後から見下した。
次郎は何とか弁解しようと思ったが、どう言っていいのか解らなくて、椅子にかけたままもじもじしていた。すると、いきなり春子の手が、うしろから彼の肩をつかんだ。
「次郎ちゃん、お願いだからいい子になってね。いいでしょう、ね、ね。」
春子の頬が息づまるように
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