ゃんは。お手伝いもしないで。」
春子は、口では意地悪く叱りながら、すぐ袂に手を突っこんで、小さな紙の袋を出した。袋には、飴玉が十ばかりはいっていた。三人は、一つずつそれを口にほうりこんで、しばらく默りこんだ。
窓先の青桐に日がかげって、家の中がいやに静かである。次郎は、まもなく帰らなければならない、と思うと、急に物淋しい気分になった。
「次郎ちゃんは、今日、由ちゃんとどうかしたんじゃない?」
ふいに春子が真面目な顔をして、二人の顔を見くらべた。
「ううん、何でもないさ。」
と、竜一が飴玉を口の中でころがしながら答えた。次郎は默っていた。
「でも、さっきから少し変なのよ。」
「どうして?」
「竹ちゃんや、鉄ちゃんが、何度も裏口から覗いて、次郎ちゃんはまだいるかってきくの。何でも、由ちゃんが次郎ちゃんの帰りを待ってて、いじめるんだってさ。」
「由ちゃんなんか、何だい。僕、あべこべにいじめてやるよ。」
次郎は急に立ち上った。飴玉は、まだ彼の口の中で半分ほども溶けていなかったが、彼はそれをがりがりと噛み砕いた。
「およしよ。由ちゃんはずるいから、お友達を何人もかたらっているらしいのよ
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