て、それが自然二人にも影響しているためなのか、心からは親しんでいない。性格から言っても、竜一は単純で、無器用《ぶきよう》で、よくおだてに乗る子であるのに、由夫は、ませた、小智恵のきく子で、どうかすると、遠まわしに竜一の親たちの陰口をきいたりする。賭事《かけごと》ではむろん由夫がうわ手である。今日も、彼は、竜一をうまくおだてて、蝗の首取り競争を始めたところなのである。
 そこへ次郎が、ぼとぼとと草履を引きずりながら通りかかった。彼はこの頃、仲間たちとあまり遊ばない。学校の帰りにも大ていは一人である。
「おい、次郎ちゃん、見ててくれ、僕、勝ってみせるから。」
 と、由夫が彼を呼びとめた。
 次郎は、これまで自分にも経験のある遊びではあったが、首だけになった蝗が、いくつもいくつも、二人の着物の襟にくっついているのを見ると、あまりいい気持はしなかった。生物《いきもの》の命を取ることが、このごろの彼の気持に、何となくぴったりしなくなっていたのである。
 彼は、しかし立ちどまって、しばらく二人の様子を眺めていた。
 竜一は、次郎に見られていると思うと、いよいよあせって、無理に蝗を襟におしつけた。蝗
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