そうりょう》なんだからね。どうせあの子を、そういつまでも、お前の家に預けとくわけにはいかないじゃないか。」
「そんなこと、もうわかっていますわ。どうせ御無理ごもっともでしょうからね。」
「お前何ということをお言いだい、私に向かって。……お前それですむと思うの。」
「すむかすまないかわかりませんわ。まるで欺《だま》しうちにあったんですもの。」
「欺しうちだって。」
「そうじゃございませんか。恭さんをちょっと連れて来いとおっしゃるから、つれて上ると、すぐにお祖母さんに連れ出さしておいて、そのあとで、こんなお話なんですもの。」
「それで、お前すねたというのだね。」
「すねたくもなろうじゃありませんか。私にも人情っていうものがございますからね。」
「すると、恭一の代りに、次郎を預るのは、どうしても嫌だとお言いなのかい。」
 お浜はそっぽを向いて默りこむ。
「何というわからずやだろうね。私に乳がないばっかりにこうして頼んでいるのに、やさしく言えばつけ上ってさ。……嫌《いや》なら嫌でいいよ、もうお前にはどの子も頼まないから。その代りこの家とはこれっきり縁を切るから、そうお思い。飯米《はんまい》に困
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