は「魔羅」](〔ma_ra〕)は是四魔五眷屬、此眞言以魔字爲體、即是大空之義、證此大空摧壞一切魔也とせられたは、是れは、密教的解釋で、即ち、眞言宗に獨得な説明法である、世人は單にこの解釋と違つて居るのを見てかれこれ云ふのであるが、大師は普通の解釋は、充分承知して、更らに、密教の上から見た解釋を加へて居ることを忘れてはならぬ、又十住心論の卷の四に、大日經の聲聞の眞言を引用してあるが、
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〔Hetu−pratyaya−vigata Karma−nirja_ta hu_m〕[#最後のmは上ドット付き] とある、是れは、常情から解すれば「因縁より離れ、業より免れたるものよ」と解釋すべきものと思ふが、大師は、これに密教的解釋を下して
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初醯字(He)有訶聲(h)是行是喜、即聲聞行、有伊聲(e)即聲聞三昧也、次覩字 tu' 有多聲(t)即聲聞所入如々也、有※[#「烏+おおざと」、第3水準1−92−75]聲(u)三昧也、次有鉢字(pa)聲聞所見第一義諦、帶羅字(ra)即小乘所離六塵、帝也(tya)乘如之義也、是聲聞所乘之乘、※[#「田+比」、第3水準1−
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