うか! それが性的な衝動によるなら、それはそれでいいぢやないか! 妹のコケティッシュな裸身がくね/\と否応なしに私の脳裡に蠢めきまはつてゐるのである。然しそれが特に不快でもなかつたのだ。
 私達は然し長平の下宿の方へ歩いてゐた。下宿の前へ辿りつくと、鈍重な足の運びでひきずるやうに歩きながら、背をまるめ黙りこくつて歩いてゐた長平が、ふと自分の部屋をぼんやり見上げて呟いてゐた。「ゐるかな? ゐないと思ふが……」と。その予感は的中した。私がむしろホッと重荷を下したことには、まぎれもなく長平の部屋のどこにも妹はゐなかつた。書き残したものもなかつた。私は暫く妹に会はずにゐたい思ひがしたのだ。妹の魂が汚れてゐるなら、魂の汚れと同じ線まで肉体の汚れることを望む思ひがむしろ私の心にあつた。
 ――お前もひとたび家庭を逃げる人になるなら、行きつくところまで行きついてみるがいいのだ。中途半端な娘気質の気位はむしろ御免だ。そんなお前を見ることは、救はれない私自身の血を見るやうに私に苦痛だ。淫売婦の汚れきつた肉体になつて、肉は膿をもちズダ/\にさけて帰つてきても私は決してお前を叱りはしないだらう。むしろ私は一
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