ゥつたよ」
 私達は思はず同時にふきだしたが、なにかグロテスクな真迫力を思はず感じずにゐられなかつた。然し二九太は私達の笑ひにもそのグロテスクな真迫力にも全く無関心だつた。
「その娘は可愛らしい顔立か?」と、二九太は冷然と長平にたづねた。
「特に可愛らしいと言へないが、普通の愛くるしい少女には違ひないな」
「身体はふとつてゐるのか痩せてゐるのか?」
「見たところ弱々しい身体だよ」
「行つてみやう!」
 二九太は叫びながら忽ち荒々しく立ち上つた。
「これから早速行つてみやうぢやないか! 一見の値打があるのだ。僕は実験してみやう。暗示を与へてその反応を調べてみたいのだ。我々は早速行かうぢやないか!」
 もとより私も興味を感じはじめてゐた。私達も立ち上つて早速神経病少女を訪問することに一決したが「それにしても」と長平が二九太に向つて「大勢であんまり仰々しく見物といふ恰好もよくないから、君の大学教師の名刺に物を言はせることにしやう」と言ひかけると、二九太は抽斗を掻き廻して「この方が有効だらう」と日本心霊学協会の会員証を探しだした。
 外へでると、二九太は酒店で四合瓶を買ひもとめた。
「この種の
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