しんば高橋お伝だつて、それがどうしたといふのです。そんなことで僕の心が悩んだり、悲しみにとざされるなら、僕はむしろ自分の純情に乾杯したいばかりですよ。そんな僕ならどんなに助かるか知れませんよ。これはキザな話ですが、僕は長平の報告をきいてこんなことを考へたのです。妹よお前の魂がそんなに汚れてゐるものならお前の肉体も同じやうに汚れてくれる方がいい。売春婦の肉体となり蛆虫を肉に宿して戻つてきても僕は決して叱らないばかりか始めてお前と兄妹になつたやうな偽りのない親しさを感じるだらう、と。これは勿論咄嗟なキザな感傷でしたよ。今ではそれだけの感傷すら持ち合はしてはゐないのです。無関心。こいつはたまらないことなんです。全然無関心に生き通せるものかといへば、どつこい決してさうは問屋で卸しませんよ。こいつが又生来中途半端なものとなると、どんな敵より凡そ不気味で妖怪的ぢやないですか? 無関心といふ奴が自分のほかにもう一人影のやうに朦朧と身近かに突つ立つてゐるのだと考へてごらんなさい。喧嘩をしても勝負のない勝負だと思ひませんか? 僕はたしかに秋子さんが好きなんです。僕の本心の一ヶ所には秋子さんに詫びたい気持
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