たのです。そしていまだに現れません」
「明朝の大捜査をふれにきたのは、周信さん一人なんですね」
「そうですよ」
「男爵と子供たち三人ぞろいで家探しにきて、あなたの懐中の三千円を奪って立ち去ったことがあるそうですが、それとは違う日のことなんですね」
「アア、そう、そう。いつか、たしか三千円とられたことがありましたよ。その日は寮へ越して間のないころ、たしかに覚えがありますよ」
「ですが、またその日には、ほかに大そう重大なことが起ったのを覚えていませんか」
「え? ほかに?」
 久五郎はビックリして新十郎の顔を見つめた。いかにもフシギそうだ。思いだせないらしい。
「その家探しのあとですよ。小花さんが家出して、行方不明になったのが」
「エ? 家出? 小花が行方不明に? ハア成程。そうですか。その日小花が行方不明に」
「あんまりお心にかかる出来事ではないようですね。すると、その後日に、再び周信さんが明朝の家探しのフレを廻しに現れたことがあるのですね。尚そのほかにも周信さんの訪問はありませんでしたか」
「ここへきて、たしか、その二度だけです」
「すると一度目が一月十三日なんですが、二度目の時の日附
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