息をお持ちでお幸せですね。先生は御人格の高さでも有名なお方ですね」
日記を調べて脅迫状到着の日附の書附をもらい、最後に小花に会った。これも美人だが、いかにもきかぬ気の、気象のはげしさが人相にうかがわれる娘。元子夫人が直々に、
「結城さまには私から御依頼した筋があるのですから、何事もつつまず御返事して下さるように頼みます」
と言葉をかけてくれたから、対談はスラスラと、彼女の家出に至るまでのテンマツは私がすでにお話し致したところだが、それとほぼ同じことを逐一物語ってくれた。
「あなたが当家へ住みこんだにはワケがあろうと思われますが、それを語っていただけませんか」
「案外単純な理由だけです。自活の必要にせまられたこと、自活の途は女中奉公ぐらいしか思い当らなかったこと、女中になるなら御当家なぞへと思った程度のことからです。御当家の若奥様が私に似たお気の毒なギセイ者のお一人だとは周信さんから承わったことがありましたのでそれが心にしみてもいましたが、どうせ奉公するなら大家にかぎるとの考えで、大家と申せば今までの行きがかりのせいで心当りの筆頭にはまず御当家を思いだしも致しましょう。御当家がたまた
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