よく見えるようにした上で、土佐八は棺桶のフタをあけた。呆れ果てて中をのぞきこんだまま、しばし呆然と目を放すことができない土佐八の様子。やがて彼は中の物に手で触れてみた。人間大の人形だ。
土佐八は長い無言の後、いぶかしげに人形を抱き起して担ぎあげた。そして二人は元の如くに扉をしめて一同の前へ戻ってきた。
「私が棺桶から出たあとはカラでした。そして、あのとき最後に室内から出て扉をしめて錠をおろしたのは土佐八親分ですが、そのときこの人形はありませんでしたね?」
土佐八は無言のまま、いまいましげにうなずいて、人形を地上へ投げだした。
新十郎は人々の呆然たる顔を面白そうに見まわしつつ、
「さて、今度は波三郎さんに、もう一度、あの室内を確めていただきましょうか。皆さんも御覧の如くに、いま私たちがでてきてから、誰もあそこに近づいた人影はなかった筈です。しかし、室内は無人でしょうか? どうぞ、波三郎さん」
と、うながされて、波三郎はナニを畜生めとばかり扉に向ってすすんだ。彼は扉をあけた。半分あけて、立ちすくんだ。気をとり直して一枚ずつ扉を全開した。彼は一同に内部が見えるように、一足横に身をひい
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