で焼けた屍体か、火消や刑事が焼跡を見れば忽ち分るのですよ。おまけに縁の下の薪木だけは当日の朝になってつめこみました。前もって入れておくと雨で濡れる怖れがあるからです。そのとき死体がなかったことは火消人足の方々が知っています」
 新十郎はこう云って、ダビ所を指し、
「あの扉の錠はさっきおろしたままですし、あの近辺へ近づいた人の姿もなかった筈です。また縁の下は、カラッポで、見通しです。したがって、土佐八親分が錠をおろしてから後は、誰もあの中に入り得ない筈です。ところがあの室内には現に誰かが居ます。私の出たあとの棺桶の中に。つまり死体があるのです。しかし皆さんはそういうことが信じられますか。土佐八親分、いかがです?」
「そんなことは考えられない」
 と土佐八はムッとした顔で答えた。
「よろしい。では親分に私と一しょに来ていただきましょう。私のでたあとカラッポの筈の棺桶中に、どんな変化があるかどうか、確かめて、皆さんに報告して下さい。大勢で確かめに行くと、また人群れにまぎれてカラクリをしたように思われるから、二人だけで参りましょう」

          ★

 二人は扉を全開し、一同に内部が
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