アありませんか。いくら燃えても死ぬ人間が中にいないと思いこんでいたから、平気で、動かなかったんですよ。奴らが口止めされた以上は、もはや誰がどうやっても口を開かせることはできませんが、山キとコマ五郎のとりきめた趣向では、誰も死ぬ者がでない筈だったにきまっています。散々人々をハラハラさせて、本当に焼け死んだとみせて、生きて出てくる。案内状の予告通りにやらないところが、本当の趣向だったのですよ。生きて火葬になるほどのシャレた趣向をする以上は、そこまで人を食ってイタズラもしたくなろうというもの、まア、私が山キの立場でも大きにそれぐらいはしかねませんとも。チョイと燃えかけたところで、赤い頭巾にチャンチャンコをきて皆さん今日はと現れ出でても、そのあとでボウボウ威勢よく燃えさかっている火焔の方になんとなく面映ゆくって、せっかく生れ変った人間の方には威勢の良いところが少いねえ。予定狂って、本当に死んだと見せて、アレヨアレヨという焼跡にノコノコと現れ出でてこそ、趣向というものさ。山キとコマ五郎はチャンとそこを狙っていたと思いますよ。しかるに、本当に死んだてえのは、ナゼだろうねえ。どうしても、誰か殺した奴
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