、真相の核心にふれている何かが目ざましく閃きたっているように感じられるのはなぜだろう。
英信はコクリサマが「きょうしぬ」と告げたことに対して、きわめて確信的に、
「今日はあの方の死ぬ日ではない」
と木々彦に答えたというのである。「今日はその日ではない」。それは風守の死ぬ日についての英信の言葉であるが、駒守は光子に向って「文彦の後嗣たることを公表する時期ではない」と言っている。示す物は別であるが、二ツともに「時期ではない」という点が共通しているのは、なぜだろう。なにか時期というものがハッキリしている秘密があるのではなかろうか。とにかく時期ということが、この事件の核心に隠れているように思われるのである。しかも、ひるがえって英信の謎の言葉を思いみよ。
「生きているのはやさしいが、死ぬのはむずかしい」
妙に曰くありげな言葉である。しかも、死ぬのはむずかしいそうであるが、駒守も風守もアッサリ死んでいるではないか。英信の曰く「今日はあの方が死ぬ日ではない」というその当日に。その舌の根がまだ殆どかわかぬうちに。まことに妙な「時期」である。
それにひきつづいて一枝の疑惑を思いだすと、妙な結論が
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