という日が大そう間のわるい日になりましたが、たくみにたくんだアゲクに、一日ちがいでこうなるてえのは神仏の思召《おぼしめし》という奴かも知れません。探偵のお前さんが偉いわけじゃアありませんよ」
 と云ってニヤリと笑った。

          ★

 ナイフを逆手に後頭をチョイ、チョイときって血をとりながら、海舟は虎之介の報告をきき終った。
「フン。修作がそう云ったのかえ。四日に藤兵衛に叱られたのが運のつきだったとねえ。たくみにたくんだあげく五日という日が大そう間の悪い日になったというのは、修作にはその恨みが深かろうよ。えてして、そんなものさ。だが、トントン拍子の時もある。人生は七ころび八起きのものだが、犯罪は見ッかると一ペンコッキリで後がないから、神仏とか因縁なぞを考えるのさ」
 海舟は左手の指をチョイときって、悪血をとりはじめた。
「四日の晩に藤兵衛に叱られて殺意を起したという新十郎の見方に狂いのある筈はないのだが、修作の云い分によると、主殺しの筋は先月立てたことで、四日の晩に叱られたのがむしろ運のつきだ、というのさ。修作の言葉は真の事実ではあるが、理によって筋の立つものではない。実
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