の荒廃した魂で、私に仕事のできる筈はない。書きかけの原稿を焼いた私は、私自身の当然な魂を表現してゐたのである。私はたゞ退屈しきつた悪魔の魂で、碁にふけり、本を読みふけり、時々一人の女のハリアヒのない微笑を眺めて、ただ快楽にだらしなくくづれるだけの肉体をもてあそんだりしてゐただけだつた。



底本:「坂口安吾全集 04」筑摩書房
   1998(平成10)年5月22日初版第1刷発行
底本の親本:「太平 第二巻第一〇号」時事通信社
   1946(昭和21)年10月1日発行
初出:「太平 第二巻第一〇号」時事通信社
   1946(昭和21)年10月1日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※新仮名によると思われるルビの拗音、促音は、小書きしました。
入力:tatsuki
校正:深津辰男・美智子
2009年7月8日作成
青空文庫作成ファイル:
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