まき起つた。私達がふと「今」といふ瞬間について考へる。恐らくあらゆる「今」といふ瞬間が、どこかしらの戦場で誰かしら血潮を流した瞬間だ。それは我々の同胞であるかも知れない。ロンドンの市民であるかも知れず、ドイツのパイロットかも知れないのだ。
 かうして四年の歳月が流れ、突然話は地球の最も新らしい或る一日へ飛ぶのである。



底本:「坂口安吾全集 03」筑摩書房
   1999(平成11)年3月20日初版第1刷発行
底本の親本:「現代文学 第三巻第一〇号」大観堂
   1940(昭和15)年11月30日発行
初出:「現代文学 第三巻第一〇号」大観堂
   1940(昭和15)年11月30日発行
※新仮名によると思われるルビの拗音、促音は、小書きしました。
入力:tatsuki
校正:noriko saito
2008年10月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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