ならぬ。「だまされた」などと惨めな言葉は永遠に用ひずに済みたいものである。次に、かゝる自主的な選択が我執によつて固定せず、常に誠実な内省を加へて、自ら発育することを信条としなければならぬ。要は之だけのことである。
そして地方精神の悪弊、亜流の精神を取り去り、自らの思考を全日本的な宇宙的な高さに於てもとめることを忘れてはならないと思ふ。この意味に於て、私は先づ地方文化の確立に就ては、東京の亜流となるな、自ら独自の創造をなせといふ月並な文句が、然し真実必要な言葉であると信じてゐる。
底本:「坂口安吾全集 04」筑摩書房
1998(平成10)年5月22日初版第1刷発行
底本の親本:「月刊にひがた 第一巻第三号」新潟日報社
1946(昭和21)年2月25日発行
初出:「月刊にひがた 第一巻第三号」新潟日報社
1946(昭和21)年2月25日発行
入力:tatsuki
校正:宮元淳一
2006年5月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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