さな街だ。さて不良少女といふもの、年中盛り場を流してゐるものと見え、散歩のたびに必ず奴等にぶつかるのである。奴等を見れば、そぞろに身のふがひなさを思ひ知り、世の無常を感じること限りもなく、坊主にならうか、いつそ京都の警察へ志願して奴等のどぎもを抜いてくれようかと煩悶しながら、慌ただしく小説を仕上げて、一目散に東京指して逃げのびてきた次第であつた。



底本:「坂口安吾全集 02」筑摩書房
   1999(平成11)年4月20日初版第1刷発行
底本の親本:「都新聞 第一八三四二〜一八三四四」
   1938(昭和13)年11月24〜26日
初出:「都新聞 第一八三四二〜一八三四四」
   1938(昭和13)年11月24〜26日
※新仮名によると思われるルビの拗音、促音は、小書きしました。
入力:tatsuki
校正:noriko saito
2008年11月16日作成
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