用品で、小平が述べたごとく、処女は抵抗する故に殺され、あまたの人妻は抵抗せぬために放免された由、女房の貞操は惨たるものである。もっとも貞操ぐらい何でもない。
貞操ぐらいで殺されるなんてそんな勘定の合わないソロバンがあるものかとおっしゃるなら、まことにその通り、命に代えても貞操をまもれなどゝ無理難題を言い得るものではない。だから亭主に無理矢理義理を果す必要もないのである。
ともかく処女は信用ができる。ダンスホールへ遊びに行く娘さんが暴漢におそわれて男の舌を噛みきった、というようなことは、事件の形は物珍しくても、そういう処女の冒険と貞操への回帰は到るところで日夜行われているに相違ない。その点は童貞男子諸君も相当に安心して然るべく、もって自戒せらるべきであろう。
然し貞節への防衛というものが、単に処女という自然の動物力からきているだけで、教養によって裏づけられてはいないのだから、本当はたよりない。処女を失うともうダメで、女房という鬼になったり、ヤミのチンピラになってしまう。
処女を高めよ。自然的動物的な処女はだめだ。純潔というものを肉体から魂へうつすのだ。そして女房という鬼をなくさな
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