してやったら、女中部屋へ行ったんです。その騒ぎ声に一メートルの先生が目をさましてね。彼氏フンゼンとふるいたつと凄い力でしょう。腕の太さだったらお相撲ぐらいあるんですからね。八十松をノックアウトしちゃッて小気味よかったわよ。なんしろストレートパンチがオナカから下の方だけにしか命中しないんですから心霊術の先生もたまらないわよ」
「生命に別状はなかったわけですね」
「それはもう熟練してるから。宿屋の番頭は酔っ払いを適当に殴る限度を心得るのが重大な職業技術の一ツなんですッてね。ええと、重大な報告というのは、それじゃアなかったんですけど、女中のミネチャンがね、そんなことがあったんで思いだしたらしいんですが、どうもね、あの開けずの荷物が変なんですよ。あの荷物だけ直接ウチへ送りこまれたらしいんですね。ミネチャンから知らせを聞いて八十松クンが荷を受けとった時にね、どうも変だな、なんの荷物だろうと云ってとてもフシギがってたんですって。ともかく開けてみようてんでミネチャンに庖丁を持ってこさして今や開けようというところへ父が血相変えて出て来たんですってね。待て! それはオレのだ! と云って凄い見幕で怒鳴った
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