が、ソノ子の場合はそのような不明快なものではない。すべてはハッキリとわりきれており、要するに、お尻というものが天下を行雲流水しているだけのことである。まことに明快と云わねばならぬ。いかなる祖師も一喝をくらわせる隙がないようであった。
ソノ子はまだ十八。普通なら、まだ女学生にすぎない発育途上の小娘であった。その姿態にはまだ未成熟なものが多く翳を残しており、お乳とお尻がにわかにムッチリと精気をこめて張りかゞやいているようであった。
あのお尻が行雲流水していやがるか、と、和尚もいさゝか妬たましく感じる。いゝ年をして、とても一喝どころの段ではない。和尚の方が三十棒をくらう必要があるのである。
「当世は、久米の仙人などはショッチュウ目玉をまわしていなきゃならないのさ。オレだから、ガンバッていられるようなものだ」
と、和尚はわずかに慰めるのである。
ところが三四日して吾吉が行方をくらました。会社の金を五十万円ひきだして逃げたことがわかったのである。調べてみると、それ以前にも五十万ほど使いこんでいることが分った。それをソノ子につぎこんでいたわけである。
「まったく、和尚さん、呆れかえった唐変
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