突撃戦はたちまち混乱状態。ボッとあからみ、全身がほてるから、必死にこらえて、窮余の策。
「お酒、ちょうだい。あなたも、いかゞ。サカモリしましょうよ」
「あなた、お酒のむんですか」
「えゝ、のむわよ。一升ぐらい。でも、洋酒の方がいゝわね。ジンがいいわ」
甜《な》めたこともないくせに、大きなことを言いだした。
「そうですか。それほどの酒豪とあれば敢ておひきとめは致しませんが、人は見かけによらないものだ」
そこでサカモリがはじまったが、ジンという酒はアブサンや火酒《ウォツカ》につぐ強い酒だが、アッサリした甘味があって、女の好きそうな香気がある。舌ざわりが悪くないから、つい油断して飲みやすい。
ツル子はその時アルコールが唯一にして絶対の必需品であるから、味の悪くないのにまかせて、怖れるところなく、のみほす。怖れをなしたのはサルトルの方で、
「あなた、そんなに召しあがっていいのですか」
「ヘイチャラよ。こんなもの、一瓶や二瓶ぐらい。さア、飲みっこしましょうよ。私が一パイのんだら、あなた三バイ召しあがれ」
「ハア。アタクシは三バイでも五ハイでも飲みますが」
サルトルはハラハラしているが、ツ
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