ケではない。
「失礼ですが、あなたは酒席のサービスが御専門で」
「マア、失礼な。婦人社員が順番に当るのよ。こうしなければクビですから、余儀なくやってることですわ」
「これはお見それ致しました。田舎者がとつぜん竜宮へまよいこんだようなもので、タエにして奇なる光景に目をうばわれて驚きのあまり申上げたゞけのことで、けっしてあなたの人格を傷けようとの下心ではございません」
「田舎者だなんて、ウソおっしゃい。諸所方々でザンキしていらっしゃるじゃありませんか。大方コルサコフ病でしょう」
「これは恐れいりました。しかしアタクシもまことに幸運にめぐまれました。選りに選って、あなたのように麗しく気高いお方の順番に当るなどとは身にあまる光栄で、一生の語り草であります」
「お上手、おっしゃるわね。でも、私だって、あなたの順番にまわって、うれしいわ。なぜって、ウチのお客様、たいがいイヤらしいヤミ屋ですもの」
ここがビジネス。心にユトリをとりもどすと、フンゼン突撃を開始する。
「あなたのような方、ウチのお客様にはじめてですわ」
フンゼン突撃はよかったが、真に迫るを通りこして、ビジネスだか本音だか国境不明で、
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