ドとあやまるから、ツル子も化石状態がほぐれて、
「アラ、そんな。おあやまりになること、ないんですわ」
「ハ。イヤ。まことにザンキにたえません」
「なにをザンキしていらっしゃるんですか」
「まことに、どうも、シンラツなお言葉で。実は、なんにも記憶がありませんので、ザンキいたしております。以後心掛けを改めますから、なにとぞゴカンベン下さい」
「じゃア記憶のないときザンキにたえないことを時々なさるのね」
「まことに面目ありません。今後厳重に心を改めます」
「えゝ、改心なさらなければいけませんわ」
「ハア、御訓戒身にしみて忘れません」
女というものはズウズウしいもので。化石したり、呼吸困難におちいっても、舌がまわりだしさえすればシャア/\と、ひやかしたり、だましたり、訓戒をたれたり、ユメ油断ができません。
「でも、あやまること、ありませんわ。私、接待の当番にあたって、これが社用ですから、あれぐらいのこと、我慢しなければいけませんのよ」
「あれぐらいッて、どんなことですか」
「昨夜のようなことですわ」
と、はずかしがって、ボッと顔をあからめる。嘘をついたカドにより良心が咎めて顔をあからめるワ
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