にかかってもいゝわけか」
 こう光秀にチクリとやられて、半平もちょッと苦しげに唇をかんだが、思い直して平然たる笑顔にかえった。
「ビジネスだよ。ボクにとっても、また、彼女にとっても。彼女がビジネスをいかに解するかの問題によって解決するね。彼女はたぶん身をまもることを知っているし、同時にビジネスを完《まっと》うすることも知っているね。なぜなら彼女はボクと同じぐらい頭脳優秀だからさ」
「チェッ。よしやがれ。オレは反対だい」
 と才蔵が叫んだ。
「スパイなんてのはスレッカラシのやることだい。ツルちゃんが頭脳優秀だって、惚れたフリだの、そんなことができるもんか。商売女と違うんだ」
「できますとも。雲さんよ」
 と、半平は平然たるもの。
「由来女というものは魔物なんだよ。いかに楚々たる処女といえども、生れながらにして性愛の技術を心得ているものさ。嘘と思ったら八ツぐらいの小学一年生を一週間観察してごらんなさい。男の子はてんでギゴチないけど、女は天性の社交術と自然の媚態を与えられていることが分るからさ。雲さんも恋に盲いてビジネスを忘れてはいけないね。また、恋人をいたわることは、恋人を信頼することより
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