のうちに説明を加えることに致しまして、お許しも得ず東京へ連れだしましたことを幾重にもお詫び申上げやす」
相手がいかほど仏頂ヅラをしかめていても、常にサルトルは余念もなくニコヤカなものである。
「材木の話でざんすが、社長から話のありましたように、進駐軍向けとか、河川風水害防止愛国工事とか唄いやしてタダのようにまきあげて運びだしてやすから、昨日のお値段の半分に値切られましてもアタクシ共は結構もうかっておりやす。そちら様も大もうけは疑いなしでざんすな。しかし本日アタシが伺いました用件は材木ではございません。雲さんや。ちょッと、こっちへ出なさい」
サルトルははにかむ花聟をおしだすように才蔵の手をとって前の方へひいてくる。
「アタシもかねて感ずるところがありまして、男子二十五歳は坂本龍馬晩年の年齢でござんす。天草さんの御先祖は十六歳の御活躍でござんす。アア一本立ちがしてみたい、とアタシも人並みに風雲録を夢みておりましたが、昨夜はからずも雲さんとジッコンに願いまして、さとるところがありましたな」
悠々ニコヤカなものである。雲さんの肩をいたわるようにさすりながら、落ちつきはらった物腰、ほれぼれ
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