小さく配給されたんじゃア、孤立して貧寒だねえ。丸ごと銘々で切りくずして行くところに、銘々が同じ血をわけ合っているというアタタカサが生れて盟友のチギリを感じるのだね。蒙古のジンギスカン料理は羊を丸ごと焼いちまわア。ジンギスカンはさすがに料理の精神を知っとるね。石川さんは、なんですか、小皿に配給された料理がおいしいですか」
 長範親分、言葉に窮してしまう。
「サア、のみねえ」
 と、仕方がないから、グイとあけて、しきりに杯をさす。
「ハイ」
 と言ってカンタンにうける。うけるけれども返さない。のまないのである。飲むのは雲隠才蔵だけだ。
 サービス嬢は心得たもの。杯を一山つんで待機している。返盃の代りに新しいのでお酌する。三羽ガラスの前には、のまない杯がズラリとならんでいる。
「返盃したまえ」
 と長範親分がサイソクすると、無造作にお皿へ酒をぶちまけて、
「ハイ」
 と返す。酒をのむとか、のめないとか、杯をさすとか、返すとか、酒席の下らぬナラワシにはゼンゼンこだわるところがない。自分の食慾のおもむくまゝに楽しめば、つきる、という悠々天地の自然さであった。
 三羽ガラスは、よく食う。実に食慾を
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