ころ、まだ世間には名が知れないから、ほかにお客もいないようだ。
「ここは天草商事の経営かい」
と、サービス係りの婦人社員にきいてみると、いゝえ、という返事。ことごとに得体が知れないので、長範社長、内々大いに不キゲンである。
奇流閣の女中などは手の出しようがない。ゼンゼン、センスが違っている。二十から二十四五ぐらいの婦人社員が、いらッしゃいまし、どうぞお風呂へ、ハイ、タオル、ハイお浴衣と、トントン拍子のよろしいこと。別に愛嬌は見せないけれども、テキパキとその新鮮さ、まかせておけばなんの不安もない。
ところが一方、四人のチンピラの傍若無人なこと、ゼンゼン礼儀をわきまえない。各人アグラをかいて、ペコンと頭を下げて、ヤア、いらッしゃい、と言っただけ、初対面のアイサツもヌキである。
仕方がないから、長範親分、自分で見当をつけて、
「こちらが天草社長。こちらが? 織田光秀さん。そちらは? 白河半平さんだね」
「ザックバランにやりましょうよ。ハハハ。礼儀はダメなんだ。ボクらアプレゲールは祖国なみに廃墟に生れた人間ですからね。石川さん、お料理ができるまで、将棋やろうか」
「それは、いゝ」
半
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