のようなことをやっている。
「ムム、いけねえ。こゝで息をひきとるかも知れねえや。ウーム。痛い。あとあとは、よろしくたのむ。ムムム」
「キミだけ帰って、医者へ行ったら」
「とても、歩けやしないよ。ムム」
 二人の白衣の人物も、これには手がつけられないと観念して、奏楽が起ると、我関せず、目をつぶり、手を高々と頭上に合わせ、
「マニ妙光。マニ妙光。マニ妙光」
 一心に祈っている。
「いゝかい。思いきって、やッちゃうからね」
 坊介は奏楽の騒音にまぎれて、そッと半平にさゝやく。半平はうなずいた。
「やるからにゃ、フン捕まる手前のところまで踏みこんで、ねばるから、キミたち、騒ぎがきこえたら、門をあけて逃げるんだよ。するとボクも飛鳥の如く、門をくゞって逃げる」
 半平は、又、うなずいた。
「ムム、痛え。どうにも、我慢ができねえや、ウーム。ちょッと、便所へ、やらしてくれ。腹を押えて、ジッと、しばらく、シャガンでくるから。ムムム。ムム」
 坊介は這うようにして、便所へ行った。廊下から、そッと庭へとび降りた。
 庭の奥の繁みまで一応退避して、建物の全貌をメンミツに頭へ入れる。奏楽はマン幕をはりめぐらした
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