様の使者の慎重な試験を滞りなく通過することができた。
大喜びなのは、神様の一族郎党で、大半の信徒を失い、箱根山中にとじこもって、ほかに住むべき屋根の下もないところへ、東京のマンナカへ進出できることにあった。三階建の社屋から、大庭園をそなえた寮から、社長の私宅まで意のままに使用できるし、天草商事の全事業を手に入れて、自由に運営できる。
この建物が全部抵当にはいっており、つめかけてくるのは借金とりばかりとは気がつかない。
三人の魂をぬきあげたりと見すまして、東京遷座の用意にかかる。
サルトル・サスケがやってきて、
「東京へ御遷座の由、おめでたき儀で、慶賀の至りに存じあげます」
「イヤ、これもお前の働きによるところであるから、過分に思うぞ。石川長範は健在であるか」
「ハ。実はワタクシ石川組を円満退社いたしまして、その後は石川社長にも御無沙汰いたしております。本日参上いたしましたのは余の儀ではありませんが、御遷座に当って、かの正宗菊松をお下げ渡し願いたいと存じますが」
「ヤ。あの男ならば、もはや用はない。当方も処置に困っていたところであるから、遠慮なく連れて行くがよい」
「これは有りが
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