サルトルは自動車を降りて、白衣の隊長、内務大臣に挨拶。
「どうも、お手数をおかけ致しまして、ありがたきシアワセに存じます。天草商事のお客様方をお連れ致してございます」
「まことに御苦労であった」
サルトルは、車中の一同に、
「皆さん。目的地へ到着いたしましたから、なにとぞ、下車ねがいあげます」
天草次郎は目を怒らせて、
「ここは、どこだい」
半平と才蔵だけは知っている。ここぞかねての古戦場、マニ教神殿ではないか。
「ウーム」
思わず半平の腹の底からほとばしる一声。
「やられたか!」
彼は腕をくみ、グイと胸をはって、天草次郎にささやいた。
「マニ教神殿! 仕方がない。降りて、運命と戦わん!」
その十六 才蔵ついに雲隠れのこと
ツル子が翌日帰京して報告したから、天草商事では幹部がマニ教神殿に監禁されたことが分ったが、ほどこす手段がない。
使者を差向けたが、監禁の幹部には会わせてくれず、内務大臣が現れて、身代金三百万円持ってこい、と神示をたれて追い返されてしまった。
残された幹部が額をあつめて凝議したが埒があかない。
「どうです。なんとか苦面して、三百万円、届け
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