になし。山吹の里の故事かなんか、もじりたいところですね。ガマはちょッと、グロテスクではないでしょうか」
「ヤ。まったく赤面の至りです。以後は深く気をつけることに致します」
「ここ掘れワンワンだから、灰を入れておくのも面白かったかも知れませんね。しかし、蛇や毒虫のはいったツヅラを埋めておかれなくて、助かりましたね」
「とても、そこまでは手が廻りません。蛇も毒虫もキライでして、とてもツヅラにつめる勇気がありません。ガマ一匹が精一パイのところで」
「では、サルトル君。一場の茶番を終りましたから、改めて商談にはいりましょうよ」
 半平はニヤリニヤリと、相変らず、たのしそうである。
 不撓不屈。飛んでは落ち、落ちては飛ぶ。小野道風の蛙。これが半平の信条である。蛙であるから、顔に小便かけられても、いつも涼しい顔なのかも知れない。
 半平は戦意にもえると、益々ニヤリニヤリと、そして、下っ腹にグッと力をいれる。そして戦闘佳境にいるや、ヤセッポチの肩をいからせて、グッとそりかえって、腕をくむクセがあった。
 彼は今や、腕をくみ、ヤセッポチの肩をいからせて胸をはって、ニヤリと笑ったが、サルトルときては常に
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