ニコニコしているだけで、一向に戦備をととのえた風がない。
「ボクの方は第一回目の宝探しに負けましたから、今度はサルトル君の提案に応じましょう。阿片と金を交換する場所と時日について、あなたの条件をきかせて下さい」
「そう仰有っていただきますと、恐縮いたすばかりです。先日も申上げました通り、私は宿命論者でありまして、この仕事は私ひとり、相棒がおりません。多勢に無勢ということがありますから、どんな条件をだしましたところで、してやられる時は、してやられます。まア、人が見たらガマにするぐらいのことはできますが、皆さんがこうと覚悟をきめられた上は、私がガマにされるだけの話でざんすな。これを宿命と申しまして、この危険を承知の上で、相棒なしに乗りかけた仕事ですから、余儀ない宿命であるならば、ガマになって果てましょう。二千万円か、ガマか、私のようなガサツ者には手頃な宿命でざんすな。もう、もう、決して、どなたも恨みはいたしません」
 ニコニコと、いたって愛嬌がよいばかり、一向に力んでみせないから、腕をくんで胸をグッとはった半平も、ノレンに腕押し。しかし、決してひるむことのない半平の身上であった。
「ハハア
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