い。
「よろしい。しからば、いよいよ、小田原合戦だよ。ツルちゃんが待ってるだろう。雲さんや、ツルちゃんに、じき、あえるぜ」
「よしやがれ。あいたいのは、テメエじゃないか」
 車をいそがせて、小田原の別荘へついた。
 二人の姿は見えない。
「二人は、どうしたの」
 と留守番にきくと、
「ハイ、映画見物におでかけです」
「なるほど。ボンヤリ待ってもいられないだろうな」
 待たせる身が、待つ身になった。散々待たせて、現れた二人。
 サルトルは、いともインギンに挨拶して、
「ヤ。まことに本日は遠路のところ御足労で。社長はじめ重役陣、直々の御来臨、光栄この上もありません。わりに、早いお着きで、恐れいりました」
「アッハッハ。サルトル君は月並なシャレが好きですね。しかし、あなた、動物学上、ガマはガマ、カエルはカエルでしょう」
「イヤ、恐れいりました。無学者で、いつも恥をかいております」
「しかし風流を好む精神は見上げたものですよ。バクダンを仕掛けておくとか、人糞を埋めておくとか、えてしてやりがちなものだけど、あなたは風流ですねえ。しかしボクでしたら、一もとの山吹をいれてね。花はさけども、実の一つだ
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