だろう。それまでには、阿片を掘って、帰れるだろう」
「そんなの、ないや」
 才蔵が、むくれて、叫んだ。
「ボクが一しょなら、とにかく、女性ひとり、ザンコクだい。じゃア、ボクが箱根へ行って、サルトルをひきとめとくから、ツルちゃんが案内役で、阿片を掘ったら、いいじゃないか」
 次郎は冷酷な目でジロリと才蔵を睨みすくめて、
「ダラシねえ奴。しッかりしろ」
 物凄い一睨み。冷酷ムザン。思わずブルブルふるえるぐらい、つめたい。
 次郎はアゴでツル子によびかけて、
「すぐ、でかけろ。サルトルをお前のそばから一歩も放すな。明日、二時ごろ、半平か誰かを小田原へやるから、それまで、放すな」
 ツル子は、返事をしない。すこし、青ざめている。
 決心がついたらしく、ちょッと、会釈して、ふりむいた。
「ちょッと、おまち。ツルちゃん。心配するんじゃないよ。ボクが要領を教えてあげらア」
 と、半平が追っかけてきて、一室へつれこみ、
「一歩も放すな、と云ったって、深夜、山林の奥へ埋めた物を掘りかえしに行けるものじゃないから、十一時ぐらいまで、ムダ話して、ひきとめとけば、充分ですよ。むしろ、問題は朝なんだ。夜明けと共
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