かしやがる」
「ハッハッハ。嘘だと思っていらっしゃるから、いけません。サルトルの一言、常に天地神明にちかって偽りなし」
「雲隠さん!」
 ツル子はキッと彼をみつめて、
「ほかのカンも調べてみなければ、ダメよ」
「ウン。しかし、この一カンだけでも莫大な財宝だ。なんだか、夢みたいな話だよ。薄気味がわるくて仕様がねえや」
 一つ一つカンを掘り出して、つぶさに調べて、才蔵は首をふりふり、
「どうも、いけねえ。ワシア、負けた。よう、言わんわ。大泥棒め。凄い物を掘りあてやがったな。証拠物件。見せなきゃいけないから、一とつまみ、もらってくぜ」
「オットット。そうは、あげられない。これだけで、タクサン」
 ホンの二グラムほどつまんで、紙につつんでやる。
 サルトルは元の通りカンをうめて、地をならし、
「人が見たら蛙となれ」
 こうマジナイをかけて、帰途につく。
 サルトルはニヤリと笑って、
「今晩のうちに、場所を変えておかなきゃいけない。天草商事さんは紳士でいらッしゃるから」
「バカ言え。キミみたいな大泥棒とは素性がちがってらア」
「大泥棒はないでしょう。イントク物資をテキハツしたにすぎんですな」

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