うまいことを、やりやがったな。イマイマしい野郎じゃないか」
「ハッハッハ。やくべからず。駅まで自動車で送ってあげるから、早いとこ、東京へ帰っておくれ。どうも箱根においとくと、あぶない」
二人を汽車へ乗っけてしまった。
才蔵は車中でしばらく黙々、考えこんでいたが、
「ツルちゃん」
ツとよりそって、
「一しょに箱根へ戻らないか。一カン盗んで帰ろうよ。これから自動車で急行するんだ」
「いけないわ。そんなこと」
「バカだなア。キミは。土の中に埋められている阿片は誰にも所有権がないのさ。それを持って帰って所持している者に所有権が生じるだけさ」
「あなた一人で掘りだしてらッしゃい」
「それは掘りだすのはボク一人だけでやるさ。ツルちゃんは旅館で待っといで。ね。ボクはたちまち大ブルジョアだぜ。だから、ツルちゃん。ボクと結婚してくれよ」
ツル子は呆れた。そうだろう。阿片がニセモノであることを心得ているからである。
だまして結婚を申しこむ才蔵の心根がにくらしい。かと云って、嘘つきなさい、ニセの阿片と承知の上で、とキメつけると失敗だから、セイカタンデンに力をこめて、にらみつけて、
「泥棒してお金持
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