紙のようにフッとんだが、倒れた上へヤエ子がとびついたのは殆ど同時であった。馬乗りになってクビをしめたが、ウッと声をあげたのは、押しつけているヤエ子である。頬をつねった。目のフチをつねった。あとはメッタヤタラに顔面をなぐった。狂気のようである。
他の女たちがようやくヤエ子を距てたが、ルミ子の唇がきれて血が流れている。
「殺せ! はやく、殺せ!」
とり押えられたヤエ子は足をバタバタさせて叫んでいる。
「なにが、殺せ、さ。ルミちゃんを殺しかねないのは、あんたじゃないか」
「ヘッ。それが、どうした。お前だって、ルミ子が死んじまえばいいと思ってやがるくせに。アタイはアイツが憎いんだ。自分だけ、部屋をもって、羞しくないのかよ! アタイたちが宿なしで、うれしいだろう! 畜生!」
ルミ子の顔色が変った。
「ここを、どこだと思うのよ」
「チェッ! なんだと。どこだって、かまうかい。お前が、ここの、何なのさ」
ルミ子は語るにも叫ぶにも窮して、涙があふれた。ヤエ子はそれを憎々しげに見すくめた。
「フン。結構な御身分さ。自分だけがこの部屋のヤッカイ者じゃないと思ってやがる。オレたちは貧乏だよ。金がない
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