よろしい方だ。すると宿へ二百円おいて手取りは三百円である。ママヨと思えば三百円でも客をひろった。すると翌朝手に残るのは百円であった。
「アア! 自分の部屋が欲しい!」
五人の誰かが毎日そう呟いていたが、誰も真剣に部屋をもつための努力をしているものはなかった。
五人はめいめい疑り合っていた。誰かが秘密に貯金しているのではないか、と。なぜなら、彼女らは貯金を持ちたいということが、何よりの念願だったからである。
「アア! お金がほしい!」
毎日誰かが血を吐くような叫びをあげたが、すると一同ゲタゲタ笑ってしまうのである。
「いくら、たまった? 畜生!」
ヤエ子は病人の枕元であるのもかまわず、自嘲の苦笑をうかべて、憎らしげにルミ子によびかけた。
「あの女が、ハンドバッグ、くれたんだって? 畜生! オレにくれろよ」
ルミ子は答えなかったが、病人の足もとをゆっくり一と回りすると、ねそべっているヤエ子のクビをおしつけて、おしかぶさって、
「お前には、アドルムあげるよ。ねな!」
「畜生!」
ヤエ子は牛のように跳ね起きた。ふりむきざま、右の拳に力いっぱいルミ子の顔に一撃をくれた。ルミ子は一枚の
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