んだよう。金がありゃ、誰だって、思うことができるんだ」
十一
「思うことができるなら、静かにしたら、どうなのね」
と、一人がたまりかねて、たしなめたが、
「よせやい。アタイ一人が悪いのかい。わるかったネ。お前たち、お金あるのかい。ヘソクリがあるなら、正直に言いなよ。アタイだけが、一文なしの、宿なしだと笑いたいのかよ。叩ッ殺してやるから、笑ってみやがれ。オイ。笑えよ!」
「勝手におしよ」
一同はウンザリしてヤエ子を突き放した。部屋にいて喚きたてられては困るから、
「オフロへ行こうよ」
「そうしましょう」
と、一同は仕度をはじめる。ヤエ子は腕ぐみをしてジロリと一同を見上げて、
「フン。アタイにオフロ銭もないのが、うれしいのか。見せつけたいのかよ」
「うるさいね。オフロ銭ぐらい、だしてやるよ。いつだって、そうしてもらッてるじゃないか」
「いつも、そうで、わるかったな」
「だまって、ついてくるがいいや」
「バカヤロー。オフロ銭ぐらいで、大きなツラしやがるな」
一同はヤエ子にかまわず、オフロへでかけた。ヤエ子は目をなきはらして便所へとびこんだが、実は便所の窓から、道を行
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