のね」
「そうでしょうか?」
あどけない目をクルクルさせて、せつ子の瞳をのぞきこんだ。
せつ子は調子を変えて、
「あなた、学校は?」
「田舎の高等学校一年生の一学期まで。東京へとびだしてきましたの」
「あなたは利巧だから、何をやっても、成功するわね。何か、やってごらんにならない。私、後援してあげるわ」
ルミ子は大そう困ったらしく、
「そう見えるんですか?」
「自信を持たなきゃダメよ。あなたは身に具った珍しい天分のある方だわ」
「そうですかア」
ルミ子はくすぐったそうにニコニコしていたが、やがて、哀願するように、
「そんなこと、おッしゃらないで。世間には、いろんな望みをもっていて、誰かがお金を貸してくれないかなア、なんて考えてる人がタクサンいますわ。ですけどね。私は、そうじゃないんです。ほかに望みがあって、誰かの力をかりたければ、こんなこと、していませんわ」
ルミ子の顔は平静であった。そして静かなる微笑にも変化はなかったが、語調がやゝ改まってきたようであった。
「私だって、人並みに、何かがやれるぐらいの自信はありますけどね。私は、やる気持がなくなっているのです」
ルミ子は自分
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